COMOLI|着こなしに、余白をつくる

COMOLI、着こなしに余白をつくる。淡いブルーのシャツを着た人物と、AYTHオレンジのタイポグラフィを組み合わせた記事カバー Fashion

BRAND & STYLE GUIDE / COMOLI

ゆったりしているのに、だらしなく見えない。COMOLIの服を考えるとき、気になるのはその境界だ。シャツもパンツも大きければ、それだけで雰囲気が出るわけではない。どこに布を余らせ、どこで収めるか。その小さな違いが、着こなしの印象を変えていく。

今回はCOMOLIの背景と公開された商品情報を手がかりに、肩、袖、裾、素材の関係を読む。公式コレクションの全LOOKを評する記事ではなく、AYTHが提案する3つのスタイリングから、手持ちの服にも使える考え方を探していく。

服を大きくすることと、余白をつくることは違う

サイズを上げると、身幅だけでなく肩幅、袖丈、着丈も変わる。胴回りのゆとりがちょうどよくても、手が袖に隠れたり、シャツの裾とパンツが同じ場所にたまったりすれば、欲しかった軽さは失われる。

AYTHがここでいう「余白」は、身体と服の間に残る空間と、布が自然に落ちるためのゆとりのこと。大きさそのものよりも、肩から袖へ、腰から裾へ、布がどのようにつながって見えるかに注目する。ゆったりした服を選んだら、さらに足す前に、その落ち方を見てみたい。

AYTH’S VIEW

COMOLIを読む入口は、「何もしていないように見える服」の中にある設計だと思う。装飾を増やさず、身体から少し離れた布と、着慣れた形の関係で表情をつくる。日常へ持ち帰りたいのは、全身を大きくすることではない。ゆとりを残す場所と、収まりを確かめる場所を分けることだ。肩や胴回りは自由に、袖口や足元は自分の動きに合わせる。その順序なら、手持ちのシャツ一枚からでも試せる。

COMOLIとは?日常の場面から服を考えるブランド

COMOLI(コモリ)は、小森啓二郎が2011年に設立した日本のファッションブランド。ブランド設立年とコレクションの開始時期は異なり、小森は2015年のインタビューで最初のシーズンを2012年春夏と説明している。シャツ、カットソー、パンツ、ジャケット、コートといった日常着を入り口に、素材と形を組み合わせてきた。[moc graph:小森啓二郎インタビュー(2025)/BIOTOP PEOPLE(2015)]

2015年のBIOTOPの対話では、自分の住む街、気温や湿度、着る場面から服を考える姿勢が語られている。身体に密着させず、肌との距離を残す発想もそこで説明されている。「余白」は今回のAYTHの編集テーマだが、服と身体の関係からCOMOLIを見る理由は、こうした本人の言葉にある。[BIOTOP PEOPLE]

一方で、「シンプル」「ナチュラル」だけでブランドを説明するのも十分ではない。2025年のmoc graphのインタビューには、音楽や街、若い頃の憧れと葛藤も登場する。端正な外見の背後に、個人的な感覚がある。その背景まで見ると、COMOLIを無個性なベーシックとして扱うより、着る人の気分に馴染ませる服として理解しやすい。これはインタビューを踏まえたAYTHの読み方だ。[moc graph]

着慣れた形を、そのままにはしない

服の背景を知るうえで分かりやすい例が、タイロッケンコートだ。Silverのインタビューで小森は、自分が着たいトレンチコートを考え、肩やボタンの強い印象を取り除く過程で、その形に近づいたと説明している。過去の服をコピーするのではなく、自分が着るために要素を選び直す。[Silver:Interview with Keijiro Komori]

この例からAYTHが持ち帰りたいのは、ミリタリーなら無骨に、ジャケットならかっちりと、とジャンルのイメージを固定しないこと。形に馴染みがあっても、素材や肩のつくり、ボタンを開けたときの見え方で印象は変わる。アイテム名より、着たときの輪郭を先に見ると選び方が変わってくる。

Silhouette Map|肩・袖・裾を、別々に見る

余白をつくる4つの確認点。肩線の位置、手が隠れない袖丈、シャツ裾とパンツの重なり、靴の上でのパンツ裾の収まりを整理した図

試着で確認する順序は、肩、袖、上着の裾、パンツの裾。すべてを一度に「サイズ感」と呼ばず、場所を分けて見る。

  • Shoulder — 肩線が落ちること自体は問題ではない。ただし、腕を動かしたときに袖や身頃が過度に引っ張られないかを確認する。
  • Sleeve — 長さと太さは別の要素。袖にボリュームを残しても、手元が扱いやすい長さなら、日常の動きを妨げにくい。
  • Hem — 裾を出すなら、パンツの腰回りとどれくらい重なるかを見る。長いシャツと深い股上を組み合わせたとき、腰まわりだけに布が集中していないかが目安になる。
  • Trouser — 裾のたまりは少なければ正解、というものではない。靴の形と合わせ、歩くときに引きずらず、自分が意図した量で収まるかを確かめる。

これらはCOMOLIの公式サイズルールではなく、AYTHの試着チェック。体格、素材、好みで適切な位置は変わる。数字だけで決めるより、前、横、歩いたときの3つの見え方を確認したい。

Texture Map|黒を一色で終わらせない

同じ黒でも素材の構造を分けて読む図。コットンジャージー、シルクの織物、コットンの編み地を並べ、混率だけでは厚さや着心地を判断できないと示している

公式MAIL ORDERには、SURPLUS L/S T-SHIRTとCOTTON JERSEY 6P PANTSがともに綿100%として掲載されている。一方、REVERSIBLE JACKETは織物側がシルク100%、編み地側が綿100%。同じ黒でも、素材と構造を分けて見る入口がある。[SURPLUS L/S T-SHIRT/COTTON JERSEY 6P PANTS/REVERSIBLE JACKET]

ただし、混率だけで厚さ、柔らかさ、暖かさは決められない。同じ綿でも編み方や加工で見え方は変わるし、シルクだから必ず強く光るとも限らない。画面で表面の差を見つけたら、実物では重さと落ち方を確認する。その二段階で考えたい。

黒い服同士を合わせるなら、色を足す前に、表面を一つ変えてみる。マットなTシャツに少し表情のある羽織りを合わせる、パンツだけ異なる素材にする。色数を増やさずに、上下の境界をつくる方法になる。

3つのLOOK|COMOLIを手がかりにしたAYTHの提案

以下はAYTHによるスタイリング提案。公式LOOKの再現ではなく、すべての服がCOMOLIの実在商品であることを示すものでもありません。公式商品情報は考え方の参照に用い、イラストはシルエットや重ね方の説明用に制作しています。

LOOK 01|Blue Shirt, Easy Volume

淡いブルーのゆったりしたシャツを裾出しで着て、ネイビーのワイドパンツと黒い革靴を合わせた、髭のない成人男性のAYTHイラスト

淡いブルーのシャツ、ネイビーのワイドパンツ、黒い革靴。アウターを使わず、上半身の明るい面と下半身の長い縦の線でまとめた。

ここで見たいのは、肩線よりも手元と腰回り。シャツの袖にはゆとりがあるが、手は隠れない。裾は出しているが、パンツの途中まで深く覆わない。上下を細くして整えるのではなく、ゆとりを残したまま境界を分かりやすくしている。

日常で試すなら:手持ちのブルーシャツと濃色パンツから始める。シャツが長い場合は、まず袖口を整え、次に裾を出した状態と軽く入れた状態を比べる。イラストと同じ寸法へ合わせる必要はない。

LOOK 02|Black, Not Flat

黒い胸ポケット付き長袖Tシャツ、黒いゆったりしたカーゴパンツ、黒いスニーカーを着た、短い巻き髪と髭のある成人男性のAYTHイラスト

胸ポケット付きの黒い長袖Tシャツと、黒いカーゴパンツ。靴も黒に揃え、色ではなく、上半身の簡潔さと下半身のポケット・ボリュームで違いをつくった。

全身黒は「簡単」な組み合わせではない。上下の表面、幅、裾が似すぎると、大きな一つの塊に見えやすい。この提案では、トップスを腰の近くで収め、パンツ側に量を残す。黒を細く見せるためではなく、輪郭を読めるようにするための調整だ。

日常で試すなら:上下とも黒でも、まずは一方だけに大きなボリュームを置く。胸元や首まわりはシンプルにして、ポケットや裾のディテールを見せる。ただし、淡色インナーやバッグと合わせる際は商品の色移り注意を確認する。

LOOK 03|A Jacket That Falls

黒い柔らかなジャケットを開いて着て、チャコールのTシャツとゆったりしたパンツ、黒い革靴を合わせた、口髭のある成人男性のAYTHイラスト

柔らかい黒のジャケット、チャコールのTシャツとパンツ、黒い革靴。シャツやネクタイではなく、丸首の内側を見せて、羽織りとして扱った。

注目したいのは、前を開けたときの布の線。肩を強くつくったジャケットとは違う方向で、身頃の落ち方とインナーの見える幅に着こなしを任せる。ジャケットとパンツを厳密なセットにしなくても、色を近づけ、表面を少し変えればつながりをつくれる。

日常で試すなら:まず薄手で肩の構築が強すぎない羽織りを、普段のTシャツの上へ。袖と背中が窮屈なら、開けて着るだけで解決したことにはならない。重ねた状態で動けるかを確認する。なお、このLOOKは仕事場のドレスコードへ一律に適合する提案ではない。

最初の一着は、生活の場面から選ぶ

ブランドを知った直後に、代表作を急いで揃える必要はない。室内で過ごす時間が長ければ一枚で着るトップス、外出で温度調整をしたければ羽織り、手持ちの上着が細く感じるならパンツ。その順序で、今の生活に足りない役割を考える。

試したいこと 最初に見る服 確認する場所
上半身にゆとりを足す シャツ・長袖Tシャツ 袖丈、胴回り、裾の位置
下半身の輪郭を変える ゆったりしたパンツ 腰の保持、股上、靴とのつながり
重ね着を軽く見せる 柔らかい羽織り 肩、腕の動き、前を開けた線

公式掲載価格の参考例は、SURPLUS L/S T-SHIRTが19,800円、COTTON JERSEY 6P PANTSが96,800円、REVERSIBLE JACKETが132,000円。同じブランドでも品目と素材で価格は大きく変わる。これをブランド全体の価格帯や、掲載LOOK一式の購入金額として扱うことはできない。[各公式商品ページ、2026年10月5日確認]

選ぶ前には、商品番号、色、サイズ、取り扱いをチェックする。6P PANTSとREVERSIBLE JACKETの公式ページには、水分や摩擦による色移りへの注意がある。「日常着」という言葉を、手入れを考えなくてよいという意味にはしない。購入時の表示を優先したい。

サイズアップの前に、3つだけ確かめる

  1. 手元:いつもの動作で袖が邪魔にならないか。
  2. 腰回り:トップスとパンツの布が、一箇所に重なりすぎていないか。
  3. 足元:歩いても裾を引きずらず、靴の形が見えるか。

どれかが気になったら、すぐサイズを下げるのではなく、丈、素材、アイテムの組み合わせを一つずつ変えて比べる。全身を同時に変えると、何が効いたのか分かりづらい。まず一着から、というのがAYTHの提案だ。

着こなしに、余白をつくる

COMOLIを入口にすると、シンプルな服の見方が少し変わる。何が付いているかだけでなく、どこに布が残り、どこで収まるか。色を足すことだけでなく、同じ色の中で素材がどう違うか。着こなしを整える手段は、細くすることにも、大きくすることにも限られない。

次にシャツを着るとき、肩から袖へ目を移してみる。パンツを選ぶとき、ウエストだけでなく靴の上まで見てみる。その小さな観察から、日常の服に新しい視点が生まれる。

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Sources & Disclosure

本記事はAYTHの独立した編集企画であり、COMOLI公式の広告・共同制作ではありません。人物イラストはAI生成を用いたAYTHの説明用スタイリング提案です。公式画像や商品を完全に再現したものではなく、色・素材・寸法は実物と異なる場合があります。実物の着用・品質検証は行っていません。記事内にアフィリエイトリンクはありません。